働く前に現状を知っておこう

サービス付き高齢者向け住宅での勤務を希望するケアマネージャーやホームヘルパーなどの介護士が増加傾向にあるのは事実だ。その理由として考えられるのが、老人ホームやケアハウス、グループホームなどの介護施設と比較した場合、その業務内容の厳しさが若干緩和されるということが期待されるからだ。サ高住への入居が許されるのは、ある程度自らの意思と判断でさまざまなことができる人である。トイレや入浴、食事なども人の手を借りることなく自分でできるというのも実態といえるのではないだろうか。

入居者の要介護度も進んでないこともあり、老人ホームやケアハウスなどの勤務よりは若干、楽ができるかもしれないという考えでサービス付き高齢者向け住宅への就職を決めるという介護士も少なくない。しかしながら、現状では少ない人数のスタッフで多くの入居者の面倒をみなければならないという過酷な状況が続いているのだ。

サ高住に入居できるような人であれば、それほど、介護士の手を煩わせるようなことはないというイメージを持つ人も少なくないかもしれないが、現場はそんな甘いものではない。ある程度の身体の自由がある高齢者であるからこそ、自分勝手とも思われるような言動をすることもあるのだ。通常であれば、安否確認や生活相談などの簡単なことだけをすれば良いはずの介護士だが、入居者の部屋の片付けや掃除、ゴミの分別などのフォローやサポートをすることもしばしばである。