サ高住は「サービス付き高齢者向け住宅」の略で、介護保険では「在宅」に位置付けられるために在宅介護サービスが適用となり、訪問介護サービスで支援が必要な方に介護を提供する。訪問介護は基本的に一対一で提供されるが、同じ施設内に複数人で住居しているために、時折困ったことにあってしまうヘルパーも少なからずいる。それは、訪問介護サービスの提供中に他の入居者から援助を求められることだ。訪問介護でサービスを提供している間は、声をかけられても提供時間が終了するまで待ってもらわなければならない。

サ高住のスタッフがいたらすぐに対応できるのだが、基本的にサ高住スタッフは日中・夜間共にヘルパーの数よりも少ない人数しか常駐していないので、すぐには駆けつけてもらえない場合もある。待ってもらえる用事であれば良いのだが、「お手洗いに連れて行ってほしい」などと待ってもらうことが難しい内容が多い。そんな時は、すぐにサ高住スタッフに知らせることができるよう、お部屋に備え付けられている緊急コールを押してもらったり、ヘルパー自身が近くにある緊急コールを押すことで、手の空いたスタッフがすぐに駆け付けることができて、お待たせする時間が少なくなる。

このように複数の介護を必要とする高齢者が入居している中で訪問介護を提供すると、現場のヘルパーは毎日のようにこのような困ったことに出くわす可能性が高い。毎日のように訪問介護の提供時間ではない時間帯に援助を求められるのであれば、ケアマネジャーと相談して提供時間を調整したり、訪問介護の提供回数を見直すといったことが必要になる。